姫と年下王子たち
そしてゆっくりと、絢斗はあたしの方を振り返った。


「初めてひなが、…わからなくなった」


絢斗の言葉が、鋭いトゲのようにあたしの心に突き刺さる。


呆然と立ち尽くすあたしの横を、絢斗はなにも言わずに通り過ぎて行った。



体育館裏は、再び殺風景な静けさを取り戻す。


あたしの頬を…涙が伝った。


…あたしはバカだ。


「ひな♪」

「ひなちゃん!」
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