姫と年下王子たち
図星を突かれ、あたしは口を窄めた。


「ケンカとかじゃないんですけど…」

「顔合わせるのがツラいの?」


あたしは無言で、コクンコクンと頷いた。


…どうやら、店長にはお見通しのようだ。


「そっか~。でもそれを理由で辞めるのは、ダーメっ」

「…ごめんなさい」


こんな勝手な理由で辞めたいと言っているのに、店長は怒るどころか、いつもと変わらず穏やかだ。
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