姫と年下王子たち
「それを言うのは、俺の方やで。俺も今日の花火大会、楽しかったわ。ありがー…」

「違うよっ」


…え?

違うって、なにが…?


キョトンとする俺の前に、美姫が立ち止まる。


「…美姫が痴漢されたとき、守ってくれて…ありがとう」


そう呟くように、俯いて、両手で持った巾着の紐をギュッと握りしめる美姫。


「すごく嬉しかったの…!あんなに怒った桔平見るの、初めてだったから」
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