姫と年下王子たち
ぽつりと呟き、美姫はネイルの施された細い指で涙を払った。


「もー…。ほんと桔平、かっこよすぎだよ」


そう言って、俺を見つめる美姫はくしゃっと笑った。


「…ったく。美姫が、こーんなに桔平のことが好きだって、ちゃんとわかってんのっ?」


美姫は拗ねたように頬を膨らませると、バシッと思い切り背中を叩いた。


「それは…、痛いほどわかってるってぇ…」
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