姫と年下王子たち
俺はデニムのポケットからキーを取り出すと、単車の鍵穴に差し込んだ。


そして、ひなにヘルメットを手渡す。


時刻は、15時。

今から帰ると、16時くらいになる。


しかし、俺には考えがあった。

今日のデートは、水族館だけじゃない。


次に行くところが、本当はひなに一番見せたい場所だ。


「そう簡単に、ひなを帰してたまるかよ」


俺はひなを後ろに乗せると、ハンドルを握った。
< 3,667 / 3,957 >

この作品をシェア

pagetop