姫と年下王子たち
雨だ。

見ると、空は灰色の雲で覆われていた。


確かに、今日の昼過ぎから降ると天気予報で言っていた。


「朝くるときは晴れてたのに~。俺、傘なんか持ってきてへんし」

「俺も~。おふくろに言われたけど、持ってくるの忘れたー」


そんな文句をだらだら話していただけで、あっという間に雨が強くなった。


「ここじゃ濡れる…!」


俺たちは急いで、屋根のある昇降口へ戻った。
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