姫と年下王子たち
「どないしよかー…。すぐに止むかな~?」

「いや。夜まで降るらしい」


俺は、憂鬱そうに空を見上げる2人の隣でそう告げると、折りたたみ傘を開いた。


「えっ、涼!傘なんて持ってきてたのかよ!?」

「うん」

「それなら、駅まで入れてくれ〜…」

「どう考えたって、この傘で3人は無理だろ」

「…ケチっ」


絢斗は口を尖らせる。


俺は今日、スーパーに寄って買い物をするつもりだったから、早く帰りたかった。
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