姫と年下王子たち
会計を済ませて外へ出ると、きたときよりもさらに、雨で立ち往生している人たちが出入り口付近に集まっていた。

みんな空を見上げ、困った表情を浮かべている。


俺はお構いなしに傘を広げて、家へ帰ろうとした。


…すると、そのとき。

その人集りの中に、知った顔があった。


俺はゆっくりと歩み寄る。


「なにしてるの?こんなところで」

「…長谷川くんっ!」
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