姫と年下王子たち
そのあたしの顔を、怪しそうに見つめる桔平くん。


「…わかったで」


しかし桔平くんは、あとはなにも言わなかった。


そのかわり、カバンからポケットティッシュを取り出した。


「ほら、チーして!」


チー…?

あたし、子ども扱い…?


戸惑っていると、ティッシュを無理やり鼻に押し付けられた。


「はい、チー!」


あたしはこの際だと思って、遠慮なく鼻をかんだ。
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