甘えん坊の彼が変貌する時〜心惹かれていく私〜
甘えん坊の幼なじみ
「ちーちゃん!!起きて!!起きて!!」

私はその声に、カバッと起き上がった。

「ちーちゃん、お・は・よ❤」

そう言って、私をギュッと抱きしめると、その頬に、超美少女はキスをした。

「キャーッ!!なっ、渚!!こういうことは、やめてって言ったじゃない!!」

私は力づくで、渚をドンッと突き飛ばすと、渚は、床に転がっていった。

「痛っ!!ちーちゃん、ちょっと、ヒドイよ。」

転がっていった時に打った頭をさすりながら、渚は潤んだ涙目でそう言った。

うっ。

そんな目で私を見ないでよ。

なぜか、私は渚のその目に弱い。

私は、『咲坂千波【さきさかちなみ】』。

16歳、高校1年生。

渚こと、『海江田渚【かいえだなぎさ】』。

同じく、高校1年生。

でも、渚は、まだ誕生日がきてないので、15歳。

渚は、外見は『超美少女』だが、実は『男』である。

私と渚は、いわゆる『幼なじみ』の仲だ。

小さい頃から、ずっと一緒にいて、私は、渚の『お守役』だった。

渚は、『女の子』みたく、可愛いお人形さんみたいな子供だった。

それで、男の子にイジメられていた渚を、私がずっと守っていたのだ。

今でもそうだ。

私は、身長が170cmあり、『男顔』で、まったく『女』には見えない。

ちなみに渚は、163cmで、外見は『超美少女』。

渚と歩いていると、私が『男』で『彼氏』とよく間違われたことか。

『神様』って不公平だ。

せめて、私がもう少し『女の子』らしかったら、よかったのに‥‥‥‥。

この『長身』と『顔』のせいで、男の子にはまったく相手にされず、いつも、『友達』で終わってしまう。

『初恋の男の子』とも、結局は『ケンカ友達』で終わってしまった。

「ちーちゃん❤」

再び渚が、パジャマ姿の私に抱きついてきた。

「えーいっ!!離れんか、この〜!!」

私は、そう言いつつも、嫌がるフリをしているだけだった。

渚に甘えられることは、正直、嫌ではなかった。

「ちーちゃん、今日も一緒に学校に行こうね❤」

そう言って、渚に『天使の微笑み』を向けられると弱い私だった。








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