雨の繁華街
「お姉さん、何言って…」
状況が理解出来ずに吃りながらも、問いかける。
「今ので確信したの。探していたナイトはあなただった、ってこと」
「…やっぱりお姉さん酔ってるでしょ。交番まで連れてってあげるから、身内の人に迎えにきてもらいなよ」
彼女の真意が全く見えない以上、どうこうも出来るはずもなく、 だからと言って彼女の言い分を真に受けて出会って数分の女の人を…なんて考えただけで恐ろしい。
「あー!もう草食系男子!!そこは有無を言わずに手を取り合うとこでしょ!せっかく少女漫画っぽい展開にしようとしてるのに!」
躊躇っている俺に業を煮やしたのか彼女は先程の表情から一変、わさわさと髪を無造作にかきあげて怒声をあげる。