ビターチョコに願いを込めて
カカオ60%
あ、……まただ。
目の前に座る彼の視線を確認し、心の中でカウント数を増やす。
一体今日は、どこまで伸びるんだろう。
「でね?お兄ちゃんったら、その格好のままインターホン出ちゃってー」
「さすがお前の兄ちゃん、って感じだな」
「どういうことよ」
「そのままの意味」
怒る素振りを見せる私に、彼は悪戯っ子のような表情を向ける。
他の女の子には見せない、特別な顔。
「……もう暗くなってきたし、そろそろ帰ろっか」
鞄に手を掛けて言ってみるけど、案の定彼は席を立つのを、少しだけ躊躇った。
そんな彼を見て、私は溜め息を吐きつつ教室の電気を切ってやる。
「ちょ……待てよ、結梨(ユウリ)!」
「3秒以内に支度しないと、ドアも閉めちゃうよー」
「3秒は無理!」
目の前に座る彼の視線を確認し、心の中でカウント数を増やす。
一体今日は、どこまで伸びるんだろう。
「でね?お兄ちゃんったら、その格好のままインターホン出ちゃってー」
「さすがお前の兄ちゃん、って感じだな」
「どういうことよ」
「そのままの意味」
怒る素振りを見せる私に、彼は悪戯っ子のような表情を向ける。
他の女の子には見せない、特別な顔。
「……もう暗くなってきたし、そろそろ帰ろっか」
鞄に手を掛けて言ってみるけど、案の定彼は席を立つのを、少しだけ躊躇った。
そんな彼を見て、私は溜め息を吐きつつ教室の電気を切ってやる。
「ちょ……待てよ、結梨(ユウリ)!」
「3秒以内に支度しないと、ドアも閉めちゃうよー」
「3秒は無理!」
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