ビターチョコに願いを込めて
口を大きく開けて笑う彼が私は好きだから……大好きだから。

だからね、気付いちゃうんだよ。

クラスメートと笑い合う中、ほんの一瞬、視線を外に向けることにも。





「だからさ。主人公はあそこでモブ男を選ぶべきじゃなかったんだって」

「わかってないなぁ、壱は。モブ男を選んだからこそ、2人の絆は深まるんでしょ?」



放課後、私達はいつも通り教室に残ってくだらない会話を交わしていた。



「そこがありがち過ぎるんだって。そろそろ別の展開も取り入れてほしいね」

「えー。じゃあどんな展開?」



うーん、と少し間をおいて、彼は小さく笑う。



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