ビターチョコに願いを込めて
駅前のいつものコンビニで、何を思ったのか彼はいつもと同じビターチョコを2つ買った。

最近、私達が2人してハマってる炭酸飲料も一緒に。



「2つも買ってどうするの」

「家帰って食う」

「甘いの苦手なくせに、ビターチョコはいくらでもいけるんだね」



呆れた視線を送ると、彼はガードレールに体重を預けて口元に笑みを浮かべた。



「バレンタイン、ビターチョコで大量に作ってくれていいよ」

「ミルクチョコで沢山作ってあげる」

「それは勘弁」



もし彼女がバレンタインにチョコをくれるとして、それが甘かったらどうする?……なんて聞くのは愚問だろうか。

聞いたとして、私はどんな答えを望むんだろう。


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