幼馴染の定義【完】


距離感だって丁度良い。

楽なんだ。本当に。

ドキドキも無いし、どちらかと言えば家族に感じる安心感に近い。



「はじめちゃんお弁当持って来た?」


「いや、今日は購買だ」


「ふぅん。どこで食べる?」


「いつもの所で良いだろう」


「だね、」


……もしかしたら、友達が居ないと言うのは当てはまるのかもしれない。

気心知れない友達は、友達とは言わないのかもしれない。


まあ、でも。

今更どうでも良いことだ。


他愛も無い話をしながら斗真の教室の前を通る。

窓側一番後ろの席……斗真の席周辺にみんなが塊、楽しそうに駄弁っている。



なのに、



「……っ、」

何で目、合っちゃうんだろう。

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