幼馴染の定義【完】
窓を開ければ互いの部屋に行き来出来る距離なのに、あいつと会うのは学校の校舎内だけだ。
わかってる。
もう子どもじゃない。
高校3年ともなれば、それなりに経験は積むものだろう。
いつまでも子どもじゃいられない。
それが寂しいと感じるのは、まだあたしが子どもだからかもしれない。
中1の半ばにもなれば、一緒に並び登校すれば囃し立てられる。
それが嫌で、「やめよう」と、言ったのはあたしだ。
そこからかもしれない。
段々あいつが大人になってしまったのは。
「巡〈メグル〉、」
愛しい声があたしを呼んだ。