幼馴染の定義【完】


――体育はバスケで、うちのクラス……4組の女子は、派手な男女が集まる2組と合同になったのが嬉しかったのか、キャアキャアと騒ぎ立てる。


その中でも一段と斗真は目立っている。


キュッキュッと体育館シューズが床を擦る音が聞こえ、バスケットボールがダムダムと音を鳴らし床を跳ねる。


試合中じゃない女子は女子の応援をしながらも、斗真達に夢中だ。


もちろん、あたしもその中の1人に過ぎない。



斗真がスリーポイントでシュートをキメ、女子達がキャー! と、黄色い声を上げた。


あたしはひたすら斗真を見つめることしか出来ない。




「……ッ!」


視界の隅に入ったはじめちゃんが、目を見開いたのがわかった。

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