幼馴染の定義【完】


大好きなプールオムの香りに包まれて、


知りもしなかった鍛えられた胸に顔を押し付けられて、


耳元で熱い溜息が聞こえた。



「ごめん、泣き止んで。もっと早くに駆け付ければ良かった」


「……」


嗚呼、罪悪感でこうしてくれてるのか。

罪滅ぼしで、抱き締められてるのか。


斗真は何も悪く無いのに。

寧ろ、目を見開いたはじめちゃんが助けに来るべきなのに。


……ってか、自分でどうにかするべきなのに。




「痛いよなぁ、ごめん、巡」


「……斗真は悪く…、ない、でしょ?」


「ん、でもごめん」



……斗真彼女居るじゃん。

ダメだよ、こんなことしちゃ。

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