幼馴染の定義【完】


思っては居ても口にすることが出来ないあたしは、心底狡いのかもしれない。

斗真と腕を絡めて駅前を歩いていた可愛らしい女の子に、申し訳無い気持ちが沸々と湧き上がる。



「他は? 痛くない?」


「ん、大丈夫」


大丈夫。

これ以上斗真に迷惑をかけるつもりはない。



「巡、今日はもう帰れ。優木呼んでやるから」


「……はじめちゃん?」


「あぁ、送ってもらえ。後HRだけだし」



……そっか、斗真は送ってくれないんだ。



「ん、わかった」


ごめんね、はじめちゃん。

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