幼馴染の定義【完】



「――あぁ、全くだ。悪いと思っているのなら土下座をして欲しいレベルだな」


「……ごめんって、」


「別に良い。ちゃんと掴まれよ」


「うん、掴まってる」



あたしの言葉を聞くなりはじめちゃんは、自転車を漕ぎ出した。


少し捻ったらしい足首がジンジンと熱を持つ。


肌寒くなった外は、吐き出す息が白い。



はじめちゃんは何だかんだ言って優しい。

小言を言いつつもこうしてちゃんとあたしを送り届けてくれるらしいし、文句を言いつつも安全運転だ。


あたしが怖がらないようになるべく人や車の通りが少なく、且つ車幅の広い道を選んでくれてる。


はじめちゃんからすれば、遠回りになるのに。

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