幼馴染の定義【完】
赤い唇が、



――昔から勉強は出来るほうだった。


もちろん、真面目に授業を受けてるからなんだけど。


斗真はそんなあたしを羨ましいと言っていたことがあった。

勉強を教えてくれと部屋まで訪れることがあった。



廊下に張り出された紙を見つめる。


今回の1位も、はじめちゃん。


……と、言うのも、はじめちゃんは中学の時から変わらずいつも1位だ。

はじめちゃんが勉強しているイメージはあまりないけど、課題はしっかりと提出しているから真面目にやってるんだろう。


2位はあたしで、頑張ったのにやっぱりはじめちゃんを越えられない。

点差も結構ある。


「……悔しい、」


「はっ、努力不足だな」


「失礼なっ」



斗真はいつも勉強をしないと真ん中より下の成績だった。


それなのに、高校に入ってからの斗真の成績はうなぎ登りだ。

今だって、8位に由比 斗真の名前がある。


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