幼馴染の定義【完】
今日も斗真は派手な集団の中心で楽しそうに笑ってる。
あたしにその視線が向くこともない。
放課後になり、はじめちゃんと一緒に図書館へと向かう。
随分と寒くなってきた。
「庄田の志望はW大だったか?」
「……うん、まあ」
「そうか。それじゃあ大学は別々になるんだな」
はじめちゃんは相変わらず無表情。
眼鏡の奥の瞳が揺れることも無ければ、こちらを向くこともない。
「だねぇ、寂しいな〜」
「……」
「……何、その顔」
突然無言になったはじめちゃんの顔を見遣る。
通り過ぎて行った2人組の女の子から「きゃぁ〜〜っ」と、黄色い声が聞こえた。
「優木先輩と庄田先輩だよねっ」……と言う、ヒソヒソ声も共に。
はじめちゃんも聞こえて居ただろうに無反応だ。
「俺は、庄田と離れられると思うと清々する」
「〜〜本当失礼っ!!」