幼馴染の定義【完】
――次の日も3人で一緒に冬季講習を受けて、また次の日も、そのまた次の日も……、年が明けてもそれは変わらなかった。
センター試験まで2週間を切った。
真面目に勉強して来たおかげで志望大はA判定を貰えているし、何も心配なことはない。ここから怒涛の追い上げをして来る人も居るらしいけど、あたしも変わらず勉強すれば良いだけの話だし、不安だってない。
……それなのに、どうしてこんなに心が苦しいんだろう。
「……あたしって重いのかな」
暖かい喫茶店で、口を突いて出たネガティブな言葉。
コーヒーカップの縁に口をつけるはじめちゃんがチラリとあたしに視線を寄越した。
「今更気付いたのか」
はじめちゃんが毒吐くのを知っていながら懲りないあたしは大概どうしようもない。