幼馴染の定義【完】
斗真はセンター試験で志望大学の合格圏内だったらしく……何だかそれが苦しくて堪らない。
あたしだって二次試験があるからまだ気は抜けないんだけど、勉強は毎日3時間もしなくなってしまった。
勇気を出してどこの大学に行くのか聞いてみたものの、「内緒〜」とはぐらかされたし。
斗真の未来にあたし何て存在してないんだろうなぁ。
放課後の教室にはもう誰1人生徒は居ない。
あたしはと言えば、先生に呼び出されたはじめちゃんを待っている。苦手な問題を教えてもらう予定だったんだけど、思ったよりも時間がかかっているらしい。
……後何日こうして制服を着て登校するんだろう。
机に突っ伏し、もう一度ノートに書いた文字を優しく撫でる。
「……と、うま、」
――刹那、ガタガタッと物音がして、思わず跳び起きた。