幼馴染の定義【完】


音が聞こえた方にバッ! と振り返れば……、



「……っ、」


……すぐ後ろに斗真が居た。


慌てて立ち上がりノートを閉じて乱雑に鞄に投げ込もうとすれば、その腕は呆気なく斗真によって動きを封じられた。


「……」


「巡、」


斗真が真剣な表情であたしを見つめるから思わず俯く。

でも、「逸らすな」強い口調でそう言われ恐る恐る視線を上げた。


……さっきの聞かれた……よね。

多分、ノートの文字も見られた。


途端に恥ずかしくなって顔に熱が上るのを感じた。



「さっきのなに?」


「……さ、っきの、って?」


「俺の名前呼んだだろ」


「……」


「ね、教えてよ、――メグ」


「ッ、」


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