幼馴染の定義【完】
……か、顔近いし……これってあれでしょ、壁ドンってやつでしょ……。
……心臓の音が聞こえてしまいそうなほど近い。
「メグ、ちゃんと答えて」
「……」
「すき、って俺に向けて?」
言葉にしても、この関係が壊れることが無いんだろうか。
あたしはそれが怖いの。それだけが、怖いの。
斗真の見てる世界からあたしが居なくなるのが怖いの。今までみたいにちょこっとで良いからその瞳に映してくれれば満足なのに。
満足なはずなのに……。
「……そうだよ、」
それなのにそれ以上を望むあたしは酷く滑稽だ。
ここに来て初めての肯定に、斗真は僅かに目を見開いた。
斗真の口から飛び出す言葉が怖くて俯き目をぎゅっと瞑る。