幼馴染の定義【完】
斗真に触れることの出来る彼女たちを、妬んだことさえある。
斗真に触れてもらえる可能性のある彼女たちに、なりたいと思ったことさえある。
あたし達は、所謂“幼馴染”って奴だ。
……と、言うには、
少し溝が開き過ぎた気もする。
中学に上がる頃には、もう2人で遊ぶことはなかったし、辛うじて一緒に過ごしたのはテスト期間だけだった気がする。
今じゃもう、テスト期間になっても斗真があたしの部屋に訪ねてくることはない。
斗真の帰りはいつも遅く、夕飯も外で済まして来ることの方が多い。
父子家庭の斗真がそうなったのも、必然なのかもしれない。