冷たい舌
認めないんだから―
だれ?
夢の中で、誰かが叫んでいた。
あの赤黒く変わり果てた淵の傍で。
わたし、ずっと決めてたんだから、あの人と結婚するって。
初恋なの。初めての人なの。
あの人だけが好きなの。
なのに、どうして?
絶対に、私はあの人と結ばれるはずなのに。
透子は、ぼんやりと思う。
そうかな。そうでもないよ。
私も和尚以外の人を好きになったりしないけど、私は和尚とは結ばれない。
永遠に―
好きな人と一時でも、想いを交わしあえた貴女は幸せだよ?