生きたがる少し前。
あいつ




あいつは、とにかく目立った
やつだった。



柏木 楓



出会ったのは中1。



そいつは所謂"イケメン"で
身長はそんなに無いが、
恐ろしいくらいに整った
顔立ちをしていた。



ちなみに、俺
河上 翔琉はイケメンではない。



だからと言って、
斜め前の席に座る柏木を
妬んだりするような感情は
無かった。





だけどまぁ、
他の男子たちはそうもいかないようで。





女子から何度も告白されてるのに
必ず断る。

だから学年の男子には
特定の彼女を作らず、
女心を弄ぶ、
女たらしだと噂されていた。



まぁ正直な話、
俺もこいつのことを
女たらしなんだろうと
噂を普通に信じていた。








そんなこんなで、
あいつは学年で悪目立ちしていた。


結局、あいつは
孤立していた訳だ。


だけど俺はそれを
なんとも思わなかった。


良いことだとは思わなかったけど、
別に関係ないと思ったからだ。


















< 1 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop