生きたがる少し前。


「翔琉!組もうぜ!」


「おー!おっけー」


「まじかよ!翔琉相手じゃ
勝てねーじゃんかぁ~」


そんなふうに俺たちが
盛り上がってる一方、


柏木はいつの間にか
敵チームに加わっていて、
相変わらず一人で
シュート練なんかしてる。


誰かが"入れよ"なんて言わなくても
数の足りない方に
柏木がスッと入るのが
入学して2ヶ月経った今じゃ
暗黙の了解だ。



だから先生も、
柏木が孤立してることに
なかなか気づかないのだろう。


一人が好きな子だとでも
思われてるんだろう。


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