~私が愛したのはひだまりみたいな王子様!?~


『優梨』


「誰…?」


『もう気にしないで…』


何を?
あなたは誰?

どうして私を知っているの?


「どういうこと…」


『俺は…君を知ってる。君も俺を知ってる』


私があなたを知ってる?

秋くん…?


違う、秋くんはこんな声じゃない



『俺を知りたい……?』


『俺はね―…』



「ゅ、…り…優梨…」


この声は知ってる


「秋…くん」

目が覚めた。
目の前にいたのは心配そうな秋くん


「秋くん、ありがとう。もう大丈夫だよ」


「良かった~…」


力が抜けたのかパイプ椅子にくた~と座った


「ごめんなさい。心配かけて…」


「うん。本当に、心配しました」


そう言って二人で笑いあった


「帰ろ。俺、送ってく」


「え…いいよ!大丈夫大丈夫!」


「いいから!」


心配性だなぁ…秋くんは


「俺ら今日初めて会ったのに初めてあった気しないな」


「私も思う!」


秋くんは私を気にかけてくれて優しくて…


良い人だなぁ~


-ザァァァア


「さっきまで雨降ってなかったよね…」

「降ってなかったな」


外はどしゃ降りだった


「ど、どうしよう。傘持ってきてないよ…」


「俺も…」


「どしゃ降りになって帰る…とか?」


「風邪引くと思う」


「わかってるよ!そんな冷静に返さなくてもー!」


でも本当にどうしよう…

困ったな……
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