~私が愛したのはひだまりみたいな王子様!?~


「良かった…前に進めたんだね」



「へ?」



「優梨ちゃんは…ずっと蒼太の事を忘れていたんだよ。記憶喪失でね…」



記憶喪失…


私が……



「でもまだ完全には思い出せてない…」


「焦らなくていいと思うよ。蒼太くんの事は…ゆっくり思い出して…でも」



「でも…?」



「目を背けないで?自分の過去が残酷でも…」



「桃…っ…それは!」


蛍くんが桃を止めようとしたけれど、桃は話を続けた


「優梨は、過去が残酷すぎて記憶喪失になったんだよ…でもね、逃げないで」



「残酷…?」



「うん。逃げてばかりだと前には進めない…優梨は……幸せにはなれないから」


桃が私の手を握って笑った


「うん、わかった」




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