フキゲン課長の溺愛事情
第七章 元彼との決別
「水上、水上!」
どこか遠くから璃子を呼ぶ男性の声がする。
(そんな遠くから呼ばれても……聞こえないよー……)
璃子は毛布を引き上げて横を向いた。
「璃子、起きないと遅刻するぞ」
声の主が近づいてきて声が大きくなったが、璃子の目を覚まさせるほどではない。
「……眠いから……ほっといて」
「ほっとけないな」
「いいえ……おかまいなく……」
もぞもぞとつぶやいて毛布に顔をうずめた。しばらく話しかけられないので、そのまま再び眠りに落ちようとしたとたん、耳もとにふぅっと息を吹きかけられた。
「うひゃぁっ」
背筋がぞわっとしてあわてて目を開けると、達樹が璃子の顔を覗き込んでいた。上司の顔がドアップだったせいで、驚いて眠気が吹き飛んだ。
「なっ、なんで課長がここにいるんですかっ!」
「一緒に住んでいるからな」
「そうじゃなくてっ! 部下の部屋にっ、女性の部屋にっ」
どこか遠くから璃子を呼ぶ男性の声がする。
(そんな遠くから呼ばれても……聞こえないよー……)
璃子は毛布を引き上げて横を向いた。
「璃子、起きないと遅刻するぞ」
声の主が近づいてきて声が大きくなったが、璃子の目を覚まさせるほどではない。
「……眠いから……ほっといて」
「ほっとけないな」
「いいえ……おかまいなく……」
もぞもぞとつぶやいて毛布に顔をうずめた。しばらく話しかけられないので、そのまま再び眠りに落ちようとしたとたん、耳もとにふぅっと息を吹きかけられた。
「うひゃぁっ」
背筋がぞわっとしてあわてて目を開けると、達樹が璃子の顔を覗き込んでいた。上司の顔がドアップだったせいで、驚いて眠気が吹き飛んだ。
「なっ、なんで課長がここにいるんですかっ!」
「一緒に住んでいるからな」
「そうじゃなくてっ! 部下の部屋にっ、女性の部屋にっ」