フキゲン課長の溺愛事情
「ああ。だが、検討して追加で雇用することになっても、すぐにふさわしい人材が見つかるわけじゃない。パンフレットの件に関しては和田さんと交渉してみてくれ」
「……わかりました」
中村が、話はこれで終わりだというように立ち上がった。璃子も立ち上がって「失礼します」とおじぎをした。
(結局和田さんともう一度バトルしなきゃいけないのかぁ)
憂鬱な気分になりながら応接室を出た。総務課のシマを見ると、友紀奈がにこやかな笑顔でオフィスに入ってきたところだった。
「和田さん、おはようございます」
璃子が声をかけながら近づくと、友紀奈の笑みが引きつった。それでも、かろうじて笑顔は保っている。
「あ、水上さん、おはようございます」
「和田さん、パンフの和訳、いつごろ仕上りそうか、それだけでも教えてもらえませんか?」
「河原崎さんに直接メールしましたけど、今、出願書類の英訳が立て込んでて……」
「そう」
「しばらく無理かなぁ……」
「しばらくって具体的には何時間? それとも何日くらい?」
「……わかりました」
中村が、話はこれで終わりだというように立ち上がった。璃子も立ち上がって「失礼します」とおじぎをした。
(結局和田さんともう一度バトルしなきゃいけないのかぁ)
憂鬱な気分になりながら応接室を出た。総務課のシマを見ると、友紀奈がにこやかな笑顔でオフィスに入ってきたところだった。
「和田さん、おはようございます」
璃子が声をかけながら近づくと、友紀奈の笑みが引きつった。それでも、かろうじて笑顔は保っている。
「あ、水上さん、おはようございます」
「和田さん、パンフの和訳、いつごろ仕上りそうか、それだけでも教えてもらえませんか?」
「河原崎さんに直接メールしましたけど、今、出願書類の英訳が立て込んでて……」
「そう」
「しばらく無理かなぁ……」
「しばらくって具体的には何時間? それとも何日くらい?」