フキゲン課長の溺愛事情

「へ？　す、好きって……？」

　突然優太に言われて、璃子は驚いてどもってしまった。

（秘密にしようと思ってたのに、まさかさっきの沙織との会話を聞かれちゃった……!?）

　内心焦る璃子に、優太が真剣な表情で詰め寄る。

「俺は気づいてたんですよ」
「な、なんのことかな～？」

　璃子はとぼけようとしたが、優太の表情は変わらない。

「ごまかさないでください。だって、海外プロジェクト課に行ったときは、いつもガン見してるじゃないですか。それこそ文字通り熱い眼差しでじーっと見つめてるの、俺、気づいてましたよっ」
「えっ」

　沙織が急いでふたりの間に割り込む。

「な、なにを言ってるのかな～、青葉くんは。ほらほら、もうすぐ就業時間だよ～」
「河原崎さんは黙っててください。俺、もう我慢できないんです！」

　優太が強い口調で沙織に言って、璃子に視線を戻した。