フキゲン課長の溺愛事情
その様子を見て、友紀奈が表情をこわばらせた。
「ちょっと! 人の結婚式でプロポーズなんかしないでよっ! 私たちより目立っちゃって、ヤな感じーっ!」
達樹が友紀奈に冷静な視線を向ける。
「次に結婚できるようにってブーケをくれたのは、ほかならぬキミじゃないか。愛する女性が目の前にいて、結婚したいと思ったんだ。プロポーズしてなにが悪い?」
(出た。達樹の〝なにが悪い〟理論)
璃子はおかしくて笑いそうなり、唇を引き結んで笑みをこらえようとした。でも、幸せすぎてどうしても頬が緩んでしまう。
本日の主役のもうひとりである啓一も、友紀奈の隣で驚いた表情をしていたが、やがてふうっと息を吐き出し、穏やかな笑顔を達樹に向けた。
「いえ、なにも悪くありません。璃子さんをどうぞ幸せにしてあげてください」
「キミに言われるまでもない」
「そうですね」
啓一は言って、友紀奈を促し歩き始めた。新郎新婦が進み出したので、フラワーシャワーが再開された。璃子がそちらに気を取られたとき、達樹が彼女の手を握って軽く引いた。
「ちょっと! 人の結婚式でプロポーズなんかしないでよっ! 私たちより目立っちゃって、ヤな感じーっ!」
達樹が友紀奈に冷静な視線を向ける。
「次に結婚できるようにってブーケをくれたのは、ほかならぬキミじゃないか。愛する女性が目の前にいて、結婚したいと思ったんだ。プロポーズしてなにが悪い?」
(出た。達樹の〝なにが悪い〟理論)
璃子はおかしくて笑いそうなり、唇を引き結んで笑みをこらえようとした。でも、幸せすぎてどうしても頬が緩んでしまう。
本日の主役のもうひとりである啓一も、友紀奈の隣で驚いた表情をしていたが、やがてふうっと息を吐き出し、穏やかな笑顔を達樹に向けた。
「いえ、なにも悪くありません。璃子さんをどうぞ幸せにしてあげてください」
「キミに言われるまでもない」
「そうですね」
啓一は言って、友紀奈を促し歩き始めた。新郎新婦が進み出したので、フラワーシャワーが再開された。璃子がそちらに気を取られたとき、達樹が彼女の手を握って軽く引いた。