フキゲン課長の溺愛事情
 達樹が笑って言った。もう〝不機嫌課長〟の面影はどこにもない。

「未来の花婿さんもね」

 どちらともなく顔を寄せ合い、唇を重ねる。そうして璃子と達樹が甘いキスを交わす間、チャペルの鐘が軽やかな音を立て始めた。その明るい祝福の音は、ふたりに幸せに満ちた未来が待っていることを教えてくれた。


【了】
< 297 / 306 >

この作品をシェア

pagetop