フキゲン課長の溺愛事情
第四章 元彼の新しい彼女
その日、達樹の部屋を出た後、璃子は以前沙織と来たことのある女性専用の岩盤浴スパに行った。バリ島をイメージしたスパ内で過ごし、クールダウン室で涼んでから、ブックカフェに行った。けれど、大好きな恋愛小説を読む気になれず雑誌を開いたが、〝彼に褒められる夏のデートファッション!〟とか〝穴場デートスポット特集〟とかいう文字を見つけて、胸を痛める羽目になってしまった。
沙織に電話して飲みに付き合ってもらおうかとも思ったが、昨日記憶のない間、沙織にもなにかとんでもないことをしてしまったんじゃないか、と思うと、怖くて連絡できない。
そうして夜遅くに帰宅した部屋には、あたり前だけど誰もいなくて、鍵をかける音がやけに大きく響いた。今までなら気にならなかった静寂が、ひどく胸を締めつける。
(起きてたらつらくなるだけだわ。早く寝よう)
とはいえ、自分と一緒に寝るのを避けられていた、と知ってしまった今、もうベッドで寝る気になれなかった。仕方がないので、眠くなるまでリビングで缶カクテルを飲みながらDVDを見て過ごし、そのままそこで寝落ちした。
翌日の日曜日も家にいたくなくて外に出た。カフェでブランチを食べてから、不動産賃貸会社の営業所を訪ねると、璃子と同年代の女性営業員が、いくつかマンションやアパートの部屋の間取り図を出して見せてくれた。
沙織に電話して飲みに付き合ってもらおうかとも思ったが、昨日記憶のない間、沙織にもなにかとんでもないことをしてしまったんじゃないか、と思うと、怖くて連絡できない。
そうして夜遅くに帰宅した部屋には、あたり前だけど誰もいなくて、鍵をかける音がやけに大きく響いた。今までなら気にならなかった静寂が、ひどく胸を締めつける。
(起きてたらつらくなるだけだわ。早く寝よう)
とはいえ、自分と一緒に寝るのを避けられていた、と知ってしまった今、もうベッドで寝る気になれなかった。仕方がないので、眠くなるまでリビングで缶カクテルを飲みながらDVDを見て過ごし、そのままそこで寝落ちした。
翌日の日曜日も家にいたくなくて外に出た。カフェでブランチを食べてから、不動産賃貸会社の営業所を訪ねると、璃子と同年代の女性営業員が、いくつかマンションやアパートの部屋の間取り図を出して見せてくれた。