フキゲン課長の溺愛事情
たしかに、彼とのルームシェアをみんなに知られたら困る、と言ったのは璃子の方だ。
「俺たちはただのルームシェアだと理解しているが、そう思わない者もいるだろう。変に誤解されたら、次に水上が誰かと付き合うときに困るだろうからな」
「次に誰かと……」
そんなこと、考えてもみなかった。今はまだ啓一のことで……そしてさっきの友紀奈とのやりとりで……頭と心がいっぱいだった。
「今はそう思えないかもしれないだろうけど、いずれそうなるよ」
「だといいんですけど」
璃子はため息をついて、サンドウィッチを持っていた手を膝の上に下ろした。
「水上?」
達樹に心配そうに呼ばれて、璃子はあわてて顔をあげた。
「あ、すみません。ボーッとしちゃいました。そろそろ本来の目的のインタビューをしなきゃですね」
璃子はトートバッグからノートとシャーペンを取り出した。込み上げてきた悲しみを紛らわせようと、元気よく言う。
「それじゃ、さっそくですけど、質問していいですか?」
「いいぞ。なんでも答えてやる」
「へー。じゃあ、プライベートなことも訊いちゃおうかな。課長のこと、知りたがっている女性も多そうだし」
「俺たちはただのルームシェアだと理解しているが、そう思わない者もいるだろう。変に誤解されたら、次に水上が誰かと付き合うときに困るだろうからな」
「次に誰かと……」
そんなこと、考えてもみなかった。今はまだ啓一のことで……そしてさっきの友紀奈とのやりとりで……頭と心がいっぱいだった。
「今はそう思えないかもしれないだろうけど、いずれそうなるよ」
「だといいんですけど」
璃子はため息をついて、サンドウィッチを持っていた手を膝の上に下ろした。
「水上?」
達樹に心配そうに呼ばれて、璃子はあわてて顔をあげた。
「あ、すみません。ボーッとしちゃいました。そろそろ本来の目的のインタビューをしなきゃですね」
璃子はトートバッグからノートとシャーペンを取り出した。込み上げてきた悲しみを紛らわせようと、元気よく言う。
「それじゃ、さっそくですけど、質問していいですか?」
「いいぞ。なんでも答えてやる」
「へー。じゃあ、プライベートなことも訊いちゃおうかな。課長のこと、知りたがっている女性も多そうだし」