フキゲン課長の溺愛事情
あわてて跳び起きようとしたが、毛布にくるまれている体は言うことを聞かず、璃子は無様にもそのまま床でじたばたしただけだった。
「朝からミノムシごっこか? 楽しそうだな」
声の方に顔を向けると、すでにスーツに着替えている達樹の姿があった。璃子の隣で片膝をついて彼女の顔を覗き込んでいる。
「どっ、どうして課長がここにいるんですかっ!」
「一緒に住んでいるからな」
「そうじゃなくてっ! 部下の部屋にっ、女性の部屋にっ、朝からっ! い、いったいいつ入ってきたんですかっ」
璃子が早口で抗議し、達樹が淡々と答える。
「どうしてかというと、おまえが大音量でアラームが鳴り響いているのにもかかわらず、いつまで経っても起きてこないからだ。いつかというと、ついさっきだ。おまえが『名字じゃなくて名前で呼んで』と言ったあたりだな。ついでにご所望のキスもしてやろうか?」
「お、襲わないって約束したのに~!」
「襲わないと約束したのは水上の方だ」
「そんなのへりくつ~!」
璃子があわてて毛布に顔を隠すと、低い笑い声が降ってきた。
「朝からミノムシごっこか? 楽しそうだな」
声の方に顔を向けると、すでにスーツに着替えている達樹の姿があった。璃子の隣で片膝をついて彼女の顔を覗き込んでいる。
「どっ、どうして課長がここにいるんですかっ!」
「一緒に住んでいるからな」
「そうじゃなくてっ! 部下の部屋にっ、女性の部屋にっ、朝からっ! い、いったいいつ入ってきたんですかっ」
璃子が早口で抗議し、達樹が淡々と答える。
「どうしてかというと、おまえが大音量でアラームが鳴り響いているのにもかかわらず、いつまで経っても起きてこないからだ。いつかというと、ついさっきだ。おまえが『名字じゃなくて名前で呼んで』と言ったあたりだな。ついでにご所望のキスもしてやろうか?」
「お、襲わないって約束したのに~!」
「襲わないと約束したのは水上の方だ」
「そんなのへりくつ~!」
璃子があわてて毛布に顔を隠すと、低い笑い声が降ってきた。