君を想う

「状況は分かりませんけど。せっかく取った仕事がダメになるなんて辛いですよね」


このあと、来客への応対に追われる間も気になっていた。


仕事に関係ない私が心配してもどうにもならないけど……でもやっぱり気になる。


来客が途切れ息をつく。


「藤崎さん、どうなったかな……」


「あれから何時間も経つし、気になりますね。どうなってるんでしょうか」


気になっているのは瞳子さんも一緒のようだ。

「あっ、藤崎さん……なんだか来た時と違って和やかな感じだね。仕事ダメにならずにすんだのかな……」


ホントだ最初の切羽詰まった様子はなくなっている。



「これから喫茶室、使えるかな」


「大丈夫です。じゃあ里奈行ってきてくれる」


えっ……。


「……分かりました」


瞳子さん、どうしたんだろう。
今までだったら藤崎斗真が喫茶室を使う時は率先して行っていたのに。




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