君を想う
「藍川さん喫茶室から内線来ました来客の方が帰られるようです」
「私、片付けに行ってきて良いかな?後お願いできる?」
「分かりました」
長橋さんに後をお願いして喫茶室を片付けに行った。
もう誰もいないと思っていたのに、まだ藤崎斗真が中にいた。
「藤崎さん、戻らないんですか?」
「もう少ししたら戻るよ」
「そうですか」
カップを片付けてテーブルを拭いた。
運ぼうとしたら。
「藍川」
「はい?」
「コーヒー、美味しかった」
初めて……誉められた?
「満点ですか?」
誉められて嬉しくなって訊いた。
「残念だな俺は厳しいんだよ。満点にはまだ足りない」
「……はぁ」
ため息をつきガックリと項垂れた。
なぁんだ……誉められついでに満点て言って貰えるんじゃないかって期待していたのに……。