君を想う
「藍川、久しぶり。最近会ってなかったな」
変、なんか緊張する。
藤崎斗真は隣に座りコンビニの袋からペットボトルとお弁当を出した。
「藍川はお昼食べたか?」
「……食べました」
「そうか。こっちはお昼どころじゃなくてさ。……やっと食べられる。
もうお昼って時間じゃねぇけど」
なんか疲れているように見えた。
「トラブルが発生したって聞いたんですけど……大丈夫なんですか?」
「中里から聞いたのか?」
「中里さんじゃなくて、他の人から」
「他の人?」
「藤崎さんと同じ開発事業部の人が教えてくれました」
「そうか……」
「藤崎さん」
「ん?」
「彼女いたんですね?」
「は?」
「朝、二人が一緒にいるところ見ちゃいました。会社の近くで待ち合わせするなんて噂がたつのも仕方ないですよ。あっ、わざとですか?」
「藍川……あのとき近くにいたのか?」
「藤崎さんは会社にいなかったから知らなかったようだけど朝の事、噂になってますよ」
「……あいつは彼女じゃないよ」
あの女の人は藤崎斗真の彼女じゃなかった……?
「違うんですか?」
でも、女の人を連れて二人でどこかに歩いて行ったし
……親密そうに見えた。