君を想う
「あいつは……元カノ」
「藤崎さんの元カノ?」
「そう。もう何年も前に別れたはずなのに最近こっちに帰って来てから纏わりつかれて困ってるんだ」
あの女の人は元カノだったんだ。
なんだ……そうだったんだ。
でも何で知っている気がしたんだろう?
「……藤崎さんの元カノさんの事なんですが、どこかで見たような気がするんですけど?」
「……えっ……気のせいじゃないか?あいつとお前に接点なんてないだろう。
あんな感じで髪型が似ている女は結構いるし……」
そうだよね。会ったことがあるなら、もっと良く覚えているはずだよね。
「もう、あいつの話しはやめだ。
それより今日、仕事終わったら開発事業部に来いよ」
「何でですか?」
「大事な話しがあるんだよ」
「今、じゃダメなんですか?」
「食べながらする話しじゃないんだよ。それにそろそろ3時だけど戻らなくていいのか?」
「えっ、もうそんな時間ですか!!早く戻らないと……」
「藍川」
急いで受付に戻ろうと立ち。入り口の手前まで来て呼び止められた。
「必ず来いよ。待ってるからな」