君を想う
「そうなんですか」
「一人だけなら、どこかに入るより手軽に済ませられますから。隣、いいですか?」
「あっ、気付かなくてすみません。どうぞ」
横に置いてあるコンビニの袋をどかして座れるようにした。
田辺さんが隣に座り袋から出したパンを食べ始める。
私は時間が気になり確認すると。
そろそろ戻らないといけない時間になっていた。
「あの、私そろそろ戻らないといけないので、先に失礼します」
「もう行ってしまうんですか?せっかく、ここで藍川さんに会えたのに残念です。もっと一緒にいたかったなぁ」
荷物を持って立ち上がりかけて、動きを止めた。
「えっ……?」
本当に残念そうに聞こえた
もっと一緒に……。
『田辺さんって、里奈に気があるんじゃない?』
瞳子さんが言ってた事を思い出してしまった。
「あっ、いや、外で会って話すのは初めてだから、もう少し話しをして見たかったってことです。深い意味はないですよ」