君を想う


「おはようございます。営業部の戸枝課長に取りつぎをお願いします」


田辺さんが会社に来たのは久しぶりだった。


「田辺さん、おはようございます。今、取りつぎしますね。暫くお待ちください。……3階の営業部にどうぞ」

「ありがとうございます。あのっ」


「はい?」


「藍川さんの携帯にメール送りました。後で見て下さい。それから今日はお昼休み何時からですか?」


「あの……今日は一時からですけど。どうしてですか?」


「すみません。あとはメールを見て下さい」


「里奈~、何、今の会話?」


「さあ……何でしょう?」


「何でしょう?って心当たりないの?」


「全然、分からないです。」


瞳子さんが変に思うのも無理はないなと思った。
今までは田辺さんが他の来客もいるのに個人的な事をあの場で言うなんて事はなかったから。
お昼近く、来客も途絶えて気になっていた田辺さんからのメールを確認した。




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