君を想う
なんだ『深い意味なんて無い』んだ。
思わずホッとしてしまった。
「すみません。時間が無いのに引き止めてしまって行ってください」
瞳子さんが待ってるし……ホントに帰らないとまずい。
「時間がないから行きますね」
公園を後にした。
10分で戻らないと。
急ぎ足で歩く。
早く変わってよっ。
横断歩道でなかなか変わらない信号にイライラしながら待った。
やっと信号が青になり、横断歩道を渡って数メートル先の曲がり角を目指して今度は走って行く。
一台の車が追い越して行き直ぐ近くで停まった。
関係ない車だろうと、速度を落とさずに走り抜けようとしたら運転席側のパワーウィンドウが下りた。
「藍川里奈」
ん!?
車の持ち主は私の名前を呼んだ……。
誰?知ってる人?