君を想う
田辺さんとの事で余計な詮索をされたくないと身構えた、けどこのあとは、もう触れて来なくなった。
「藍川、明日話がしたいから。仕事が終わったら開発事業部に来てくれないか?」
「話しって何ですか?」
「話しは明日だ。ちゃんと来いよ。待ってるからな」
「……分かりました」
今日の藤崎斗真は、なんか変だと思った。
なんか違和感を感じた。会社で田辺さんとのことを、いろいろと聞いて来たり田辺さんと付き合ってみればと言ったり 電車の中で今、隣に立っている藤崎斗真は眉間にシワを寄せて何かを考えているような……心ここにあらずと言った感じで。
「藤崎さん?」
呼んで見ても返事はなかった。
何を考えてるんだろ?
そろそろ駅を降りる。
電車が止まりもう一度声をかけた。
「藤崎さん、藤崎さん」
「あっ?何?」
「次に駅に電車止まったら降ります」
やっと気付き私をみた。
電車が止まり。
「じゃあ、降りますね。お疲れさまでした」
「あぁ、気を付けてな」