君を想う
「友達と連絡取れた?」
「はい、でも急に部活の練習になって今日は来れないみたいです」
「じゃ、同じか」
「えっ?」
「俺も、待ち合わせしたんだけどダメになったから」
この少女が友達に電話をしてる間に俺の携帯も振動し電話に出ると相手から今日は会えないと言われた。
「それで君はこれからどうする?」
「友達も来ないし電車で帰ります」
「そうか。駅まで一緒に行くよ」
約束がダメになり暇になったから送って行く事にした。この子の事がちょっと心配でもあったから。
「降ってきたな、もしかして傘ないの?」
「持ってないです」
「じゃ、入りな」
「でも……」
「いいから、濡れるだろ」
遠慮する少女に傘の中に入るように言った。
「すみません」
もうしわけなさそうに傘の中に入ってきた。