君を想う


時間も迫っているし急いでいるというのに呼び止められて、こんなとこで足止めをされた。
今から走っても間に合うか心配だ……乗せてくれると言うのならこの際、毒舌男の車でも構わない。

「あの……」


「そろそろ行くから。気を付けて戻れよ。じゃ」


えっ……乗せてくれるんじゃなかったの?


「あっ、ちょっと待ってよ~」


ものの見事に期待は、はずれて車は行ってしまった。


「わざわざ人を足止めしておいて行っちゃうなんて……あんまりじゃない」


それから大急ぎで走ったけど、5分ほど遅くなってしまった。


「瞳子さん、ごめんなさいっ」


「どうしたの?今まで遅れて来るなんて事はなかったじゃない」


「それが……いつも行くお店が改築中でお休みだったんです。それで――――」


コンビニで簡単なものを買って公園ですませたと説明をした。



「そう、そういう事ならしょうがないか。
じゃあ交代ね。あとよろしく」


今日は厄日かもしれない。




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